「家計のキャッシュフロー表」で将来のお金の不安を解消 ~作成方法をFPが徹底解説~

こんにちは!トマタです!

住宅ローンに教育資金…何歳までにいくら貯めればいいのかしら?

このようなお悩みをお持ちの方も少なくないと思います。

あなたが50歳の時にお子さんが18歳を迎えるとして、私立の4年制大学に通わせるためには、その時点でいくらの貯金があればよいでしょうか?

また、そこから逆算して考えると、45歳の時点ではいくら持っていれば安心でしょうか・・・?
40歳では・・・?
35歳では・・・?

明確に答えられる人は、それほど多くないと思います。

そんな悩みを解決してくれるのが、「家計のキャッシュフロー表」です。
キャッシュフロー表というと、会社の財務諸表のイメージがあるかもしれませんが、キャッシュフローの考え方は、家計においても非常に参考になります。

長い人生を歩んでいくためには、将来のお金の流れを予測しておくことが必要です。
この記事では、家計の収支を長期的に見渡し、あなたの人生の資金計画に役立つ「家計のキャッシュフロー表」について解説します。

トマタ

キャッシュフロー表作成用のExcelフォーマットも共有します!

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目次

キャッシュフロー表とは?

キャッシュフローとは、入ってくる現金と出ていく現金の流れのことです。

キャッシュフロー表は、一定期間の収入と支出を表し、お金の流れを把握できるツール
家計のキャッシュフローを1年単位でまとめていけば、貯蓄残高の推移を見ることもできるため、将来にわたるライフプランを立てやすくなります。

具体的には以下のような表です。

【キャッシュフロー表の例】

今や人生100年時代。
キャッシュフロー表を作成し、あなたが100歳になるまでのお金の流れを、1年単位で見ていきましょう。

キャッシュフロー表の作成方法

キャッシュフロー表を作成するツールは、大きく分けると以下の2つのパターンが考えられます。

それぞれのツールのメリット・デメリットについて、順番に見ていきましょう。

Excelなどのスプレッドシートを活用する

パソコンを使える方には、できるだけExcelで作成することをおすすめしています。もちろん基本的な機能は同じなので、Googleスプレッドシートなどを使ってもOKです。

以下では、Excelのひな型をダウンロードできるようにしていますので、ぜひご活用ください。

Excelのメリット

  • 自分好みにカスタマイズすることができる
  • 保存したデータに後から修正を加えることができる
  • キャッシュフロー表のロジックを理解しやすい

何と言っても自分好みカスタマイズできる点は最大のメリットです。
収入や支出は、職業やライフプランによって人それぞれですので、自分ならではの項目を追加したり、不要な項目を削除したりするのも簡単です。

また、キャッシュフロー表のロジックを理解しやすいというのもおすすめのポイントです。独力でキャッシュフロー表をつくることができれば、あなたの家計管理スキルは格段にレベルアップすることでしょう。

自分で金額を調べて入力していくので、金額の根拠を知りたいという方にもおすすめです。

Excelのデメリット

  • 収入の手取り額を計算する必要がある
  • 子どもの進学などライフイベントにかかる金額を調べる必要がある

デメリットは、各項目の金額算出に手間がかかることです。

手取り収入をシミュレーションするには税金や社会保険料の計算が必要ですし、子どもの進学費用などライフイベントごとの支出額も調べなくてはいけません。

だだ個人的には、あまり細かな計算にこだわりすぎず、大雑把な概算でもいいから完成させることをおすすめしています

このキャッシュフロー表は将来の予測です。
そもそも将来を正確に予測すること自体が無理な話ですから、あまり神経質にはならずに、まずはつくってみることが大切です。一度つくったExcelデータを定期的にブラッシュアップしていけば、予測の精度も上がっていくはずです。

Excelフォーマットはこちら↓

専用のライフプランソフトを使用する

キャッシュフロー表作成に特化した専用のライフプランソフトも提供されています。年齢や家族構成、収入、支出などを入力してけば、自動でレポートを作成してくれます。

ライフプランソフトを利用する場合のメリット・デメリットは下記のとおりです。

ライフプランソフトのメリット

  • 流れに沿って入力するだけなので、専門知識は不要
  • 税金や社会保険料の計算を自動化できる
  • 税制変更や社会保険制度の変更にも対応できる

ライフプランソフトのデメリット

  • レイアウトなど細かい設定をすることができない
  • 突然サービスが終了する可能性がある
  • 有料のサービスもある。無料のサービスも今後有料になる可能性がある

とりあえずシミュレーションをしてみたいという方には、日本FP協会が提供している「ライフプラン診断」というサービスがおすすめです。

いくつかの簡単な質問に答えるだけで、将来の家計診断結果をグラフで表示してくれます。

本格的なキャッシュフロー表ではありませんが、このように無料で利用できるサービスもあるので、一度お試ししてみるのは良いかと思います。

ただし、サービス提供元に依存する形になるのは避けられないため、本格的にキャッシュフロー表をつくる場合は、Excelなどのスプレッドシートでつくることをおすすめしています

キャッシュフロー表を作成するステップ

それでは、ここからはキャッシュフロー表を作成するステップを解説していきます。

トマタ

共有したExcelフォーマットでの作成を例に解説します!

将来のライフプランを考える

まずは、あなたの希望するライフプランを考えましょう。理想を叶えつつ、現実味もあるプランが良いでしょう。

具体的には、以下のような内容を検討していきます。

  • どんな職業で何歳まで仕事をしたいのか?
  • 結婚(出産)はしたいのか?するなら何歳でしたいのか?
  • マイホームは買いたいのか?
  • 子どもを大学まで行かせたいのか?

ライフプランを考えたら、今後自分や家族に発生しそうなライフイベントを時系列に沿って書き出していきましょう。
結婚、出産、住宅購入、子どもの入学、転職、定年、などなどです。

ライフプランは、できるだけ具体的に考えておくことが望ましいです。キャッシュフロー表作成のためだけでなく、あなたの人生の道しるべとしても役立ってくれることでしょう。

ライフイベントを書き出すことできたら、キャッシュフロー表に①家族の現年齢②ライフプランを入力してください。

収入の予測を立てる

もしあなたが会社員であれば、収入の予測を立てるため、主に以下の項目を確認しておきます。

  1. 給料の推移
  2. 退職金
  3. 再雇用制度
  4. 老後の公的年金
  5. 貯蓄型保険・個人年金

給料や退職金、再雇用制度については、会社の規程や周囲の先輩に聞いて調べるというのがベストでしょう。

わからなければ、業種ごとの平均給与を調べて入力します。一般的には、55歳頃まで昇給し、その後は少し下がって定年までは一定というケースが多いです。

ここで入力する金額は、税金や社会保険料を除いた手取り額です

精緻に算出するのが理想ではありますが、難しければ額面の7~8割程度としておくとよいでしょう。
収入は、出世や転職などの要因で大きく変動することもあり得ます。どのみち正確な予想は難しいので、あまりこだわり過ぎないことが途中で挫折しないためのコツです。

公的年金は、日本年金機構の「ねんきんネット」でシミュレーションすることが可能です。

予測を立てたら、キャッシュフロー表の収入欄に入力をします(万円単位がおすすめ)。

支出の予測を立てる

支出は以下の項目などを検討します。

  1. 生活費(下記項目を除く)
  2. レジャー
  3. 住宅費
  4. 教育
  5. 車両費
  6. 保険

生活費は、食費・日用品費・水道光熱費・通信費などです。
生活費は、最下段の「生活費/月」欄に月当たりの生活費を入力すれば良いようになっています。

毎月の支出を把握するためには、家計簿をつけるのがベスト
自分で家計簿をつけるのが面倒な方は、ほぼ自動で家計簿を作成してくれるアプリを利用するのがおすすめです。

私は「マネーフォワードME」を使っていますが、一度使うと手放すことのできない神アプリでです。

レジャーは、旅行や帰省などの年間費用を入力しましょう。

住宅費、教育、車両費、保険については、小分類を設けています(小分類が隠れている場合は、⊞マークをクリックすると展開します)。
あなたのライフスタイルに応じて項目を追加・削除して、自分なりのキャッシュフロー表をつくってみてください。

予測を立てたら、キャッシュフロー表の支出欄に入力をします。

預貯金残と運用利回りを入力する

最後に、現在の預貯金残高と期待する運用利回りを入力します。

預貯金残高には、株式や債券、投資信託などのリスク資産も含めます。

運用利回りは、リスク資産から期待される利回りを入力しますが、キャッシュフロー表ではあまり大きな数字にはせず保守的に予測しておいた方が良いでしょう。ライフプランを立てる上で運用収益に頼りすぎるのは危険です。

資産が預貯金のみの場合は、100%としておきましょう。

作成お疲れ様でした。ここまで入力すればキャッシュフロー表は完成です!

あとは完成したキャッシュフロー表をチェックして、家計に見直すべき点がないかチェックしていきましょう。

トマタ

次はキャッシュフロー表の活用方法を説明します

キャッシュフロー表の活用方法

次に、完成したキャッシュフロー表を家計にどうやって活かすかをご説明します。

将来の家計に問題がないかチェックしよう

完成したキャッシュフロー表を見て、将来の家計に問題がないかをチェックしましょう。
特に以下のような状態になっている場合は要注意です。

  • 何年も連続して年間収支がマイナスになっている
  • 預貯金残がマイナスになっている年がある

現役時代は、預貯金残が増加していくことが理想です。

住宅購入などのライフイベントによる一時的なマイナスは問題ありませんが、毎年のようにマイナスが続くと貯蓄が目減りしていく一方ですので、策を講じる必要があります。

また、預貯金がマイナスになっている場合は、その時点で家計が破綻してしまっているということを意味しますので、更に危険な状態と言えます。

問題があれば解決方法を検討しよう

将来の家計に問題があった場合は、以下の解決方法を検討しましょう。

  • 収入を増やす方法を考える
  • 支出を減らす方法を考える
  • ライフイベントの時期や金額を見直す

理想のライフプランを実現するためには、資産運用や節約をすることにより、キャッシュフローを改善する必要があります。

また、家計が破綻する可能性があるとわかった場合は、購入するマイホームの金額を見直したり、退職の時期を遅らせるなど、ライフイベント自体を見直すことも検討しましょう。

定期的な見直しをしよう

キャッシュフロー表は一度つくったら終わりではありません。

毎年状況は変わっていくものですので、年に一度程度は見直すことをおすすめしています。一度キャッシュフロー表を作成しておけば、翌年以降は微修正をするだけですので、それほど手間はかかりません。

将来のライフプランに問題がないか、定期的にチェックをしておけば、家計は安心です。

まとめ

今回は、「家計のキャッシュフロー表」を作成する方法について解説しました。

家計管理は短期的なものだけでなく、長期的な視点で行うことが重要です。
キャッシュフロー表をつくることで、家計のお金の流れを正確に把握し、5年後、10年後の家計も見通すことができ、安心して将来に備えることが可能です。

あなたも家計管理にキャッシュフロー表を取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

この記事が少しでも皆さまのお役に立てますように・・・ではまた!

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この記事を書いた人

本業:経理マン、副業:底辺FP(腐っても1級)

2児の父親でもあるリーマンFPが、ファミリー世帯のための『子育て情報』と『マネーリテラシー向上に繋がる情報』を発信していきます

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